日経の終面に「私の履歴書」という１か月読み切りの連載記事がある。

一ヵ月間ある人の人生ストーリが描かれる。時には文化人、時には経済人、時には

スポーツ芸能人多彩な人物が登場する。私の好きな連載記事だ。

先月３月の一か月は「浮川和宣」さんという起業家だった。浮川さんと言っても意外と知らない人が多いかもしれないが、ワープロソフト「一太郎」を世に送り出した人だ。といえば、ほぼ１００パーセントの人はああ、あの人かと思う。

その方の人生、生い立ちから、奥さんとの愛媛大学での出会い、遠距離恋愛、そして二人で開発した「一太郎」。その一太郎が「ワード」に取って代わられ、二人で作った「ジャストシステム」という会社は瀕死の状況に陥り、最終的に売却。再び立ち上がり、ipad向けのアプリを立ち上げる。という波乱万丈のストーリが展開した１か月連載だった。もうわくわくして日経の届くのが待ち遠しかった１か月だった。連載の最後の日のことば、下記で締めくくられた「若かりし頃、吉野川の流れに自分の人生を投影させた。私は今もその流れの中にいる。起業を決意した４０年以上前と何も変わっていない。大河の流れに会社という木を放り込み、そこにまたがって思い描く夢を実現させていく。そのために必死に流れの先を目指してこいでいくのだ。生涯現役。先のことはわからないが、これからも初子とともに、この流れの中に身を置いて夢中でこぎ続けていきたい。それが私の人生だ。」

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