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サキベジブログ

秀子通信⑪ -よかった。


おはよう。どう。早いものだね、今日で11日目。毎朝私は目が覚めると隣のベッドを確認する。あなたがいないことはわかってもまず目が行く。

昨日の看護師さんとてもうれしい報告をしてくれた。「平熱になっていますよ」「血圧も平常です」「目をつぶっている時間は多いですが、意識はあります」

よかった。頑張っているね。大丈夫だよ。目をつぶっていても、あなたはきっと夢の中で私との生活を満喫しているに違いない。

5年前石垣島という普段ではめったにいけない場所の講演会の講師に決まり、「せっかくだから秀子も行く?」と誘ったよね。あなたも「すぐ嬉しい」と言って二人でワクワクしながら羽田から飛行機に乗った。講演会が終わった後レンタカーを借り、ブルーの珊瑚礁が見えるほどの透き通った石垣島の海岸のドライブを楽しんだ。二人だけのマイペースで。海辺の白亜のレストランで食べた石垣島ハンバーグは、マクドナルドとは全く違う酸味のない独特の味、今でもその味を少し思い出せる。

講演会の講師に選ばれて20年。それこそ沖縄から北海道まですべての都道府県に行ったが、石垣島での講演会以前は仕事ということもあり、秀子を誘うことはなかった。自分にもゆとりが出てきたのだろうか。それからは秀子から「今年の講演会はどこ?」と期待された。沖縄、姫路、大阪と秀子同伴の講演会行きが増えた。圧巻は昨年。佐世保市での講演依頼が来た。佐世保なら「長崎ハウステンボス」。1日かけて長崎ハウステンボスを楽しんだよね。今はやりのVR画像のシアターでジェットコースター以上のスリルを味わい、「もう一回行く?」の誘いに、当然、あなたは「NO」。翌日は長崎市に足を延ばし、平和公園に市電で向かった。出島やグラーバー邸も見学したが、やはり平和公園の「原爆記念館」のインパクトに勝るものはなかった。

今年は2月に大分県の杵築市での講演が予定に入った。杵築市とはちょっと離れているが、せっかくの大分県。湯布院に泊まらない手はない。勇んで湯布院の最高と思われるホテルを予約し、飛行機の座先も前のシートを確保した。その矢先だった。でも大丈夫。今回は一人で頑張ってくる。あなたがきっとベッドの中で私と一緒に飛行機に乗り、湯布院の暖かな湯に浸かって、湯布院特有な湯花を楽しんでいる夢を見ていると信じているから。

平熱になってくれただけで、血圧が正常になってくれただけで、よかった。

「よかった」。

さあ、今日もLuky you Luky me Luky us  and have great day

2023,1,20。5:30 秀一