「社会」はどこにあるか。
私の地元の新聞に先日、哲学者が「社会はどこにあるか」というテーマで寄稿されていた。
その哲学者(女性)は哲学対話で、10代の参加者が「社会は厳しいとよく言われる大人の社会ってどこにあるのですか。ここは社会ではないのですか?」と問いかけたそうだ。
さてこの質問に、皆さんはどう応えますか。
私だって「社会は厳しい」と簡単に言ってしまう。そう刷り込まれてきた。
「社会とは一体なんなのだろう、どこにあるのだろう」などというのは自明の理で、学生を卒業して自分で給料を稼ぎ出した時、そこからが社会だと思ってきた。
「学校出たらそこが社会」と、はなから思っていた。
この紙面の中で「社会って厳しいなら、そんな社会に出たくないと思う」ともその人は続けた。
「確かにそう思う。」
「社会復帰、社会復帰と言うが、本当に復帰したい社会なのか」というため息のような問いも思い出す。とその哲学者は書いている。
一人が手を上げ話し出す。
「僕、仕事すっごく楽しいです。昨日もきれいな夕焼けを見て、同僚ときれいだねと言いながら帰って、、、、、。社会は厳しいかもしれないが、それだけじゃないってこと伝えたい。」
その人は目の前の人にこう伝えたかったのだ。
哲学者はこの人は「解決策でもなく、安易な励ましでもなく、「希望」を手渡そうとしたのだった。と書く。
「こういうふうに捉えられる人っていいな~」と私は思う。
生きるに値すると思える社会がある。
80歳近くなっても、そんなふうに考える人になりたい。
新聞の記事からとても素敵な時間をあたえられた。