誕生して28年を迎えた信州岩波講座。夏の風物詩として今や須坂の地にしっかり根付いた。
前職の先輩が発案し、私は先輩の片腕としてこの講座誕生から関わった。
最近はいろんな事情の中で、先輩共々この講座とは直接関わっていないが、活字離れの今、ますますこの講座の意義を感じる。
特に今年の講座に梯由美子さんが登場した。
「散るぞ悲しき」の本で戦時中の日本軍の重要拠点「硫黄島」防御を指揮した総司令官栗林忠道中将の功績を世に知らしめた人だ。
「散るぞ悲しき」は20年前に出版された本だが、梯由美子さんはこの本で一気にノンフィクション作家の地位を確立した。読んだ時の衝撃は今でも鮮やかに蘇る。
それまで郷土でこんなすごい軍人がいたことは知らなかった。アメリカに留学しアメリカの国力を肌で案じていた、栗林中将が一貫して戦争反対し、硫黄島の闘いでは食料不足にあえぐ部下に食料を優先し自らはなるべく粗末なものでしのいだ。作戦は緻密。1週間で落ちるといわれた硫黄島の闘いが3か月も要し、アメリカから恐れられた栗林中将。
この本を表した梯由美子さんが、今回の信州岩波講座に登場した。何が何でも聞きに行きたかったのだが、妻の介護のため叶わず。
講座内容は後日の信濃毎日新聞の記事から知ったが、やはりさすがの講演内容だった。