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サキベジブログ

秀子さんへの手紙6


秀子さん、おはよう。いかがですか。早いものです。今日で入院して1週間目です。

夜、寝室に向かい、これから寝ようとするとき、必ず君のベッドを見る。

今日もいないのだ。わかっているけど、ベッドを見て必ずそう思う。いないのだな。早く帰ってきてほしい。どんな状態でもいい。帰ってきてほしい。

 

 

昨日はたっぷりの面会時間が取れた。面会に向かっている時、例によって日赤6fの表示がつき、 携帯電話が鳴った。日赤の岡野です。秀子さんのことについて相談したい。

何か起こったか。 今は申し訳ないが、悪いことの方を想像してしまう。

「今ちょうど面会のために日赤に向かっています。車なので。後で電話します。」

「そうですか。失礼しました。それでは、つきましたら岡野を呼んでください。」

気がせいたが、内心今日の面会時間は長く取れそうだ。ありがたい。車を急がせた。

 

3階につき、受付用紙を記入し、提出と同時に「岡野さんお願いします」と伝えた。

なかなか君は出てこなかったが、待った。 移動してくるベッドが見えた。君が現れた。君の表情はだんだん元に戻っているように見えた。

「痛くない?」「大丈夫。痛くない。」「ご飯食べた?何食べた?」これは答えられなかった。「うんこ出た?」いつものパターンでいろいろ質問した。

 

君の髪を撫で、君の顔を撫で、手を握りしめた。

さほど変わった会話をするわけではないが、君の手をずっと握っていた。

幾分君の手が細くなった気がした。逆に足は昨日の印象と違って結構太かった。

「早く退院して一緒に食事したいよ。 早く戻れるといいよね。」

大したやり取りはしてなかったが、時計は結構回っていた。

 

3時10分前に行き、受付の人に「岡野さんから電話をいただき、面会の際お話を伺うことになっているのですが」と伝えたのだが、 その方は一瞬いぶかしげな表情をした。

岡野さんに通じてないのではと思うほど長く待たされた。

その間点滴の確認をしに看護師さんが見えたので君の状況を詳しく聞いてみた。

 

「電動ベッドなので、体を起こして食事はできる。ただ、残念ながら少し食べると食べなくなってしまう。 介助しながら食べさせている。天井を見ているのが多い。岡野先生をお待ちですか。連絡とってみます。お待ちください 」

 

君は疲れたのだろうか、目を閉じ始めた。言葉は交わさなくとも、そばにいてあげるだけでいい。秀子はしゃべるタイプではないから、これで十分。私がそばにいてあげるだけでいい。

その間、看護師さんと会話を交わしていた。

「介護度5と聞いております。その方が歩行器であろうが歩いているなんて信じられません。お風呂にも入れているのですか。 私たちができないことをやっていただいて本当にありがとうございます。それなら在宅のほうが回復にはいいのではと思います。」と逆に看護師さんに感謝された。 ナース精神ってすごい。

「いえいえ、私の力だけではありません。とても素晴らしいケアマネさんと出会い、訪問リハの方、デイサービスの皆さんのおかげです。 なんとか自宅に戻れるようになってほしいのですが。」

 

看護師さんは職場に戻った。岡野の医師を待った。それからも30分経っただろうか。来てくれた。想像通り、整形外科の先生ではなかった。

「尿路感染症の恐れはなくなりました。あとは整形の先生の判断です。 明日、整形の診断をして、今後の方向を決めたいと思います。整形の先生と時間等を決めますので、しばらくお待ちください。」

整形外科の先生との打ち合わせが終わったのだろう。

「明日、午後3時来られますか?」「大丈夫です。」その前に、ケアマネさんにも同席してもらった方がいいので、こちらからケアマネさんに連絡入れておきます。

 

午後3時に整形外科の先生が判断して、

1、1週間ぐらいのリハビリで自宅に戻れるか。

2、自宅に戻れるために自分で立ち上がれるまで回復期の病院でリハビリに入るか。

3、手術をしなければいけないか。

どんな方法がいいか。明日の3時の面会で決めます。ということが決まった。

明日の3時ということは、今手紙を書いているのは昨日から1日経ったので、今日の3時ドキドキするね。

どんな結論が出るか、私の希望をしっかり伝えたら、 後の判断はその結果に従うと決めている。だから今日の3時を待とう。

 

この手紙を君はまだまだ読めないようだ。

でもいい。この手紙が君のベッドの脇に置いておくだけで、2人の絆はしっかり繋がっているのだから。

「秀子諦めないでやろうね。私がついているから大丈夫。」

今日も暑い日が続きそうだ。

 

 

今日は長野シニアライフアカデミーの講座なので 365日大学は休校。11時からはおむすび倶楽部長野教室がある。

おむすび倶楽部始まる前にこの手紙を届けたいと思う。結構忙しい時間が続くが、私も頑張る。私が頑張ること、落ち込んでいないこと、きちんとしていることが秀子の病状の回復のため1番大事なこと。というのが 「全一統体の原理。」いい教えを学んでいてよかった。

では、秀子、今日も一緒に頑張ろう。 あと数時間で君に会える。いつも一緒だよ。

秀一      令和6年6月13日5時26分。

秀子様