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サキベジブログ

多くの人に支えられ


いろんな人の支えで

三六五日大学の仲間に、小林忍さんがいる。出会いは今から三十年ほど前。第2電電長野事業所の所長として赴任され、携帯電話やPHSがまだ珍しかった時代、基地局建設の最前線に立っていた。その仕事の一部を、縁あって私の会社が手伝うことになり、当時は互いに忙しい日々を過ごしていた。
その後、小林さんは本社へ転勤し、交流は途切れた。しかし二年前、定年後に沖縄で起こした事業を後進に託し、奥様の故郷である長野に戻ったという電話が入った。三六五日大学の話をすると、すぐに入会してくださった。

定年後は陶芸に打ち込んでいると聞いたが、私は深くは尋ねなかった。その小林さんが先日、「秀子さんに渡したいものがある」と訪ねてきた。差し出された作品は、写真のような完成度で、明らかに素人の域を超えていた。釉薬を使わず、松とナラの灰で生まれた深い色合い。虎の背にまたがる孫悟空。その目は、作り手の人柄を映すかのように、柔和で温かかった。

「少しでも回復の力になればと思って」
その言葉が、胸に残った。

昼寝から覚めた秀子に見せると、彼女は一瞬微笑み、「かわいいね」と言った。横から見える構図を説明し、「どっちがいい?」と尋ねると、少し考えて「虎のほうがいい」と答えた。自分から新しい言葉を選び、意思を示したことが、何よりうれしかった。

その笑顔を写真に撮り、小林さんに送ると、「見ている私のほうが幸せになりました」「次はどんな作品を見せたらもっと喜んでもらえるか、作品の構想が沸いてきそうで楽しみです。」

と返信が届いた。
今、その人形は食卓に置かれている。これを見ながらこれから先、二人でどんな会話を重ねていけるだろうか。
私たちは、今日も多くの人の支えの中で、生きている。

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