私が前職を辞めたのは３５歳。前職には定年があり、どうせ定年で辞めさせられるのであれば、今辞め起業して定年のない会社を作りたかった。実際起業し、あれから３８年。

「いかだ」で上流に向かって必死でこぎ続け、のみこむ滝や岩石に砕けそうになる連続ではあったがスリル満点の楽しい？航海ができたと思っている。

今、７３歳、同輩や周りの人を見るにつれ、定年制をもって「この日をもってあなたは不要」と死の宣告される日本の会社構造に私は敢然と挑戦し始めた。そうなのだ、定年なんてあり得ない。人生は常にチャレンジ、社会に自分自身が不必要と思った時が定年。この時は「天に召されるとき」と思っている私は、このほど「意を得たり」という本に出会った。

この６月にお亡くなりになった、ソニー再興の祖と言われる元社長の出井信之さんの遺作「人生の経営」だ。

出井さん自身、はたから見たら左遷の連続のサラリーマン人生をソニーで過ごした。しかし出井さんはその左遷をマジで左遷とは捉えなかった。会社が自分に新たな武器を磨けとチャンスを与えてくれたのだ。腐っている暇などない。と。

常にプラスにとらえる前向き人生を送ってきたので、苦境のソニーの救世主のバトンを渡らせたのだろう。サラリーマンの社歴はワン＆オンリー。唯一無二で本人次第でいくらでも変わる。世代、年齢に関係なく。

「人生の経営」読んでほしい珠玉の一冊だ。

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